慢性疾患
肩こり
頚椎〜肩甲骨周囲の筋肉の痛みと硬さを肩こりと呼んでいます。肩が名前についていますが肩関節とは異なります。
原因
4〜5kg程ある人間の頭を支えるだけでも頚椎への負荷は相当です。最近ではパソコン業務やスマホの使用でさらに筋肉に負荷がかかり肩こりを生じやすくなっています。
症状
頚椎〜肩甲骨周囲に筋肉の痛みと硬さが生じます。なんとなくだるいといった曖昧な症状である場合もあります。
治療
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投薬、トリガーポイントや筋膜リリース注射、物理療法で暖めたり、姿勢の矯正と筋トレなどを併用して治療していきます。
“治す”ポイント!
重い頭部を支える頚椎周囲の筋トレが非常に重要です。個人個人に適切な指導を行います。また、最近ではエコーを用いた筋膜リリース注射が非常に効果的ですのでつらい痛みが続く場合は相談ください。
変形性頚椎症
頚椎(骨)の間には椎間板(軟骨)が介在しており、この椎間板がクッションや頚椎の動きのサポートをしています。
原因
椎間板(軟骨)に負担が持続的にかかっていくことで変性し頚椎(骨)に直接負担がかかることで頚椎(骨)が変形していきます。
症状
肩こりのような頚椎の痛みや神経までも障害されることでしびれや上肢の痛みが生じ、さらに脊髄まで障害されると手の使いづらさや歩行障害を生じます。
治療
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投薬、トリガーポイントや筋膜リリース注射、物理療法で暖めたり、姿勢の矯正と筋トレなどを併用して治療していきます。
“治す”ポイント!
変形した骨は自然には治りませんが、しびれなど神経に症状が出ている場合も姿勢の矯正と筋トレで頚椎の負担が軽減することで炎症が改善し症状の改善を目指すことが可能ですので適切な指導を行います。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎(骨)の間にある椎間板が弱くなり、そこに急激に力が加わったりすることで椎間板の中にある髄核という中身が外に飛び出して(外に飛び出すことをヘルニアと呼びます)神経を圧迫してしまう病態です。
原因
加齢や先天的に椎間板が弱くなってしまっているところに外力が加わることでヘルニアが生じやすくなります。
症状
肩こりのような頚椎の痛みや神経までも障害されることでしびれや上肢の痛みが生じ、さらに脊髄まで障害されると手の使いづらさや歩行障害を生じます。
治療
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投薬、トリガーポイントや筋膜リリース注射、物理療法で暖めたり、姿勢の矯正と筋トレなどを併用して治療していきます。
“治す”ポイント!
実はヘルニアは自然に吸収されていくことが多いです。ヘルニアが出ている間の症状への治療が大事になります。その後、再発の可能性もあるので予防法として姿勢に矯正、頚椎の筋トレが重要です。
頚椎後縦靱帯骨化症
頚椎の神経(脊髄)側の靱帯が骨の様に硬くなって増殖してしまう疾患です。
原因
原因は完全には解明されていません。男性に多く、糖尿病や遺伝の関与もあるとされています。
症状
肩こりのような頚椎の痛みや神経までも障害されることでしびれや上肢の痛みが生じ、さらに脊髄まで障害されると手の使いづらさや歩行障害を生じます。
治療
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投薬、トリガーポイントや筋膜リリース注射、物理療法で暖めたり、姿勢の矯正と筋トレなどを併用して治療していきます。
“治す”ポイント!
骨化部は自然には治らず手術で削るしかありません。しかし、骨化は急激に進行する人もいればあまり進行しない場合もあり、定期的に経過観察を行い進行が軽度であれば症状に対する治療をしっかりと行うことが重要です。糖尿病など基礎疾患がある方はその治療も重要です。
胸郭出口症候群
頚椎〜肩までのどこかで神経が圧迫されたり神経がひっぱられたりする疾患です。
原因
原因はさまざまで先天的な奇形などの理由やリュックサックなどの負荷などが挙げられます。
症状
上肢のしびれやだるさ、手の冷たさなどの訴えから始まり、次第に手の動かしづらさも自覚するようになります。
治療
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原因がはっきりしていれば原因の除去、症状に対する投薬治療、リハビリテーションなどを行います。根本的に治療しなければならない病態では手術を要します。
“治す”ポイント!
手術をしない保存療法で65%程度は症状の改善が見込めます。各患者様の病態に合わせたリハビリテーションが重要でありオーダーメイドで行います。さらに、患者様本人が気づかないような日常の習慣などと抽出し、その改善案を提示致します。
外傷(ケガ)
むち打ち(頚椎捻挫)
交通事故など大きな外力が首にかかることで、骨折は無くとも頚椎の関節や周囲の筋肉にダメージが生じます。なんとなくだるいなどの症状が比較的長期間持続することが多いです。
“治す”ポイント!
時間はかかりますが自然と治癒することがほとんどです。その期間の症状に対して投薬、注射、物理療法など行います。