慢性疾患
変形性股関節症
大腿骨と骨盤で形成される股関節に慢性的に負荷がかかってしまうことで関節軟骨が削れていき、骨が変形してくる疾患です。
原因
日本では生まれつき股関節の弱さがあることが多く、これを二次性変形性股関節症と呼びます。また、加齢や負荷の積み重ねで生じるものを原発性変形性股関節症と呼びます。
症状
下肢の付け根の部分の痛み、歩くと痛いなどの症状が出現し、進行すると左右の脚の長さに違いが生じてきます。
治療
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投薬、股関節への注射、リハビリなどで症状を緩和させます。それでも改善が乏しい場合は手術(股関節のお皿の矯正や人工関節置換術)を要する場合もあります。
“治す”ポイント!
運動器リハビリテーションでの股関節周囲の筋力トレーニングが重要であり、当院では徹底した指導と評価を行います。筋力を強化し股関節への負担を軽減し進行を予防します。
股関節唇損傷
股関節のお皿の周囲には関節唇という部分が付いています。これが痛む疾患です。
原因
ケガや生まれつきの股関節の弱さがあるせいで生じる場合もあります。
症状
股関節を曲げた際(インピンジメントという引っかかりが生じます)や歩行時などの急激な痛みが生じることがあります。
治療
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内服、股関節への注射、リハビリなどで症状を緩和させます。約80%はそれで改善しますが、改善が乏しい場合は内視鏡を使用した手術も検討されます。
“治す”ポイント!
画像からの診断が難しいため、しっかりと診察し股関節唇が原因であると診断することが重要です。また、関節内注射や運動器リハビリテーションによる股関節周囲の筋力トレーニングが非常に有効であり当院で対応致します。
外傷(ケガ)
大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折
高齢者4大骨折の一つで二番目に多い骨折です。ここの部分の骨折は直接歩行障害に繋がるため多くの場合手術を要します。
“治す”ポイント!
実は大腿骨の骨折は5年生存率(5年後の生存している確率)が低いことを知っておかないとなりません。ですので、診断次第なるべく早い手術を要します。当院では提携病院と連携し早急な対応を致します。また、骨折前後の骨粗鬆症の治療が非常に重要であり、当院では腰椎、股関節といった骨折が多い部分をDEXA法で骨密度測定を行うことで、骨粗鬆症の治療を徹底的に行います。
骨盤骨折
若齢者でも主に交通事故など高エネルギー外傷で生じますが、骨粗鬆症がある高齢者では軽微な外力でも骨折する場合があります。
“治す”ポイント!
骨盤は非常に血流が豊富な骨なので、骨折をすると大量の出血によりショック状態となることもあります。高齢者では軽微な外傷でも生じることがあり、痛みが少ない場合もありますので大丈夫と思い込まずに受診をお勧め致します。当院で診断と適切な治療法(骨粗鬆症治療による予防も含め)を提案致します。
単純性股関節炎
幼児期に原因なく股関節が痛くなる疾患です。
原因
完全には明らかになっていませんが、感冒などが股関節の痛みが生じる前にあった場合があります。
症状
股関節の痛み、歩行障害が生じます。本人の訴えが乏しい場合は親御様が歩き方が変だと気づくこともあります。
治療
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自然軽快することがほとんどですので、安静と投薬治療による対症療法を行います。
“治す”ポイント!
単純性股関節炎は自然軽快することも多いですが、乳幼児期〜小学校までの股関節の痛みは細菌が原因の化膿性股関節炎、股関節を成長させる軟骨が傷んでその部分でずれてしまう大腿骨頭すべり症、大腿骨頭が原因不明に壊死してしまうペルテス病といった適切な治療を要する疾患もありますのでおかしいなと思ったらすぐに受診をお勧め致します。