慢性疾患
足底腱膜炎・アキレス腱周囲炎
足には腱や靱帯が複雑に入り組んで付着しています。この付着部に炎症が生じ、次第に骨が変化したりしてしまう疾患です。
原因
慢性的な足部への負荷が原因となります。足の骨の並び方でなりやすい人もいます。
症状
歩行時の痛みや、同部を押すと痛みがでます。
治療
-
負荷が原因であるのでその負荷を軽減する安静が重要です。その過程で投薬を行います。改善が乏しい場合は注射やリハビリを行います。
“治す”ポイント!
安静はもちろん一番大事ですが、腱や靱帯の付着部の炎症なので同部のストレッチが症状の改善と予防に非常に重要です。当院では適切なストレッチの指導を行います。
外反母趾
足の親指が外側に向いてしまう変形ですが、実は足の甲の骨が内側に入ってしまい親指が残ってしまっているためそう見える疾患です。
原因
もともとの扁平足であったり、窮屈な靴が要因と考えられています。
症状
足の親指の痛みや歩行時痛、内側に出っ張った親指の付け根が靴にぶつかり袋のように膨らみ炎症を起こすことがあります。
治療
-
窮屈な靴を使用している場合は変更し、痛みに対しては投薬や外用薬を使用し、変形にはテーピングやストレッチ、足底板を使用します。それでも改善しない場合や変形が強い場合は手術を要する場合もあります。
“治す”ポイント!
外反母趾の治療のポイントは足の指を治すのではなく足の甲部の形を整えることです。そのためには足底板という装具による矯正が重要です。当院では装具技師による装具外来がありますので、患者様個人個人の足に合った装具の作成を提案します。
足根管症候群
足の内くるぶしの後ろに骨と靱帯(屈筋支帯)で作られたトンネルがあり、そこを神経(脛骨神経)や腱が走っています。ここが何らかの原因で狭くなってしまう疾患です。
原因
ガングリオンなどの腫瘍、扁平足による圧迫やケガが原因となることがあります。
症状
足の底の部分にしびれや痛みが出現します。足根管をたたくとしびれや痛みが広がる感覚がでることもあります。
治療
-
扁平足などがある場合はその治療、痛みしびれについては投薬を行います。改善が乏しい場合は注射などを行います。腫瘍が原因の場合は手術を要する場合もあります。
“治す”ポイント!
足のしびれの原因は多岐にわたるので適切な診断が重要です。診断出来ればステロイドの注射が有効なことが多いです。また、扁平足に対しては足底板という装具の作成も重要でありいずれも当院で行えます。
モートン病
足の指へ向かう神経が付け根の部分で圧迫を受けてしまう疾患です。圧迫を受けた神経が神経種といって膨らむこともあります。
原因
つま先の細い靴の使用やつま先立ちが多い長時間の作業、外反母趾、ガングリオンなどの腫瘍が原因となることがあります。
症状
足の指のしびれと痛み、感覚障害が出現します。足の指の付け根に押して痛みがでる神経種を認めることがあります。
治療
-
症状については投薬を行い、神経をダメージから守るため足底板という装具を作成します。それでも改善が無い場合手術を行うこともあります。
“治す”ポイント!
足底板が非常に有効です。当院の装具外来で患者様個人個人の足に合った装具の作成を提案します。
外傷(ケガ)
足関節捻挫
足首を捻って受傷します。捻挫と聞くと軽いケガである印象がありますが、靱帯損傷のことを言います。ひどい場合は靱帯断裂となっており、中途半端な治療だと後遺症を残すことも多く、適切な治療を要します。
“治す”ポイント!
特に靱帯断裂にまで達した場合は初期のしっかりとした固定が重要です。当院では診察、エコーで靱帯の損傷の程度を正確に判断し適切な治療を提案します。若齢者では2本以上の靱帯断裂などがあった場合は後遺症を残さないために手術も考慮される場合があります。
足関節骨折
いわゆる足の内と外のくるぶしの部分の骨折です。体重の負荷がかかりやすい部分であり、小さいズレでもしっかり治らないことも多く、手術をようすることも多い骨折です。当院ではエコーも併用し小さい骨折でも診断し易くしています。
“治す”ポイント!
足関節の損傷の形態は多岐に渡り、ひどい場合は膝の部分の骨折も併発していることがあります。病態の把握と適切な治療が後遺症を軽減させるために重要です。
アキレス腱断裂
足を踏み出す瞬間にバチッと切れることが多いです。ハンマーでアキレス腱を叩かれたと表現する方もいます。
“治す”ポイント!
アキレス腱断裂は自然治癒が難しく手術となることも多いです。アキレス腱断裂は診断そのものは比較的しやすいですが、その断裂形態は多岐に渡り、手術法の判断のために適切な診断を要します。当院ではレントゲンとエコーを用いてその形態を把握し適切な治療法を提案します。